現在、ひまわりの教育・保育の核であり、柱となっているのが、「クロスライフ保育」です。
聞きなれない言葉なのは当然で、ひまわりが新しく作った造語です。
クロスライフ保育とは、「年齢別保育」と「異年齢保育(縦割り保育)の両方の良い面を取りいれ、さらに保育教諭や地域の方々との関係を重視した教育・保育スタイルです。
「人生の横の軸」
日本の多くの保育園や幼稚園で一般的な「年齢別保育」のメリットは、発達に応じた活動を取り入れ、同年齢で助け合い、協力し、競い合うといった、家庭ではできない経験ができる点、その年齢で身につけるべき「しつけ」や基本的な生活習慣を同じ年齢の子供達と共に学ぶことができる点です。
つまり同年齢の友達という横のつながりを大切にした保育です。ひまわりでは10時頃から11時半頃まで同年齢の子供達で活動しています。
「人生の縦の軸」
一方、欧米などで一般的な保育は異年齢保育(縦割り保育)です。
異なる年齢の子供が一緒に遊び、生活する保育形態です。この保育形態では年下児は遊び上手で優しくしてくれる大きい子に憧れの気持ちを持ちます。「お兄さんお姉さんのようになりたい」という気持ちが子供達をより成長させてくれます。
また、時には甘えさせてくれる優しい存在として大切な存在になってくれます。
年上児は小さい子をかわいがったり、助けたり、お世話することに喜びを感じたり、時には思いがぶつかり我慢したりすることを通して、小さい子を思いやる心やいろいろな人と関わる力、協調性、リーダーシップなどが育めます。年下児から年上児という縦のつながりを大切にした保育です。
この縦の軸には年上児だけではなく、先生や地域の方々も含まれます。
子供達が日々一緒に生活を共にする保育教諭は子供達の大切なお手本です。先生のさりげないしぐさや、言葉使い、人との接し方、服装等を見て子供達は多くのことを感じ、学んでいきます。ひまわりの保育教諭はあらゆる面で理想の先生像(大人像)を子供達に見せ、子供達が「先生のようになりたい」と思えるほど魅力的な保育教諭でなければならないと考えています。
更には、地域のつながりの希薄化、核家族化が進み祖父母世代と触れ合う機会もずいぶん少なくなりました。
地域の方々との交流を積極的に取り入れ、子供達があらゆる世代に親しみを感じ、豊かな人間関係の中で育つことを大切にしています。
「交差する二つの人生の軸が子供の育ちに大切」
この横と縦のつながりはどちらも子供の育ちに重要な経験となる軸になります。この交差する二つの人生の縦と横の軸を大切にする保育を図にすると次のような十字の形になるため、ひまわりでは「交差(クロス)する二つの人生(ライフ)の軸を大切にする保育⇒クロスライフ保育」と名付けたのです。
●クロスライフ保育イメージ
●年齢別クラス名とグループ名
3歳以上児は、年齢別保育と、年齢の枠を外した異年齢保育の両形態を取ります。
・年齢別保育
10時頃から11時半頃まで組別の同年齢の子供達で活動します。
・異年齢保育
年齢別保育以外の時間は、3・4・5歳児混合の3つのグループに分かれて、主に生活の諸活動(食事・午睡等)を行います。
また、年度途中からは、ひばり組も異年齢保育に参加します。
クロスライフ保育の取り組み
当番活動
5歳児は食事の配膳や部屋の掃除、昼寝の準備など、生活する上での役割の一部を当番活動を通して経験します。
活動を通して、基本的な生活習慣を身につけ、見通しをもって生活できるようになります。
また、小さい子のお世話をすることで思いやりの心を育てるだけではなく、自分達がグループのリーダーだという意識が自然と芽生えるきっかけにもなります。
1日の振り返り
午後のおやつが終わったら、子供達は異年齢のグループで1日の振り返りの時間を持ち、楽しかった出来事等をみんなの前で話します。
自分の思いを言葉で表す経験をすることはもちろん、楽しかったことを皆に伝え合うことで、自分が知らなかった楽しかったことを共有する1日の振り返りの時間は、新たにやりたいと思うことに気が付くきっかけになり、好きなことを見つけることにつながります。
地域との交流
港まつりや徳田まつりへの参加を通して郷土を愛する心を育むと共に、老人施設の訪問や中学生との交流、地域の方々を招待しての野菜作りなどを通して交流を多く持ち、多様な人間関係の中で人への親しみの気持ちを育みます。